4月1日に発売されたばかりのPRO TREK最高峰[MANASLU(マナスル)]
「PRO TREK PRX-2000T」モノフェローズイベントに参加してきました
開発者の方のお話を聞いて思ったのは...
MANASLU(マナスル)は、登山家にとって<厚さ11.3mmの最強バディ>
だってこと
カシオの開発者って、熱い!?
入社以来、プロトレック一筋の
カシオ計算機 時計事業部 モジュール開発部 モジュール企画室の
牛山和人氏によるレクチャーでスタートした今回のセミナー
実はこの牛山氏、プロトレックを実際に想定した現場でテストしてみないことにはダメだぁぁぁ!と一念発起
未経験者だったにも関わらず山岳会に入り、今では冬山にまで登っちゃうという熱いお人なのだ(驚)
現場で使うものは、現場を経験して開発する!!
まさにカシオの開発基準、「フィールドワーク」っすな(笑)
そんな熱き思いの詰まった「PRO TREK PRX-2000T (MANASLU)」
その誕生秘話をたっぷりとお聞かせいただきやした!
山に登るようになると なんでもカラビナ付けちゃうんだよね(牛山氏のXacti)
カシオにとって、腕時計とは「リスト情報機器」
最初の多角化戦略事業としてスタートした時計事業も、今年で35年
そもそも、カシオにとって「腕時計」とは、宝飾品、貴金属ではなく、身につける『リスト情報機器』ととらえ、電卓で蓄積した技術を活用することで生まれた事業部なのであります
カシオの時計というと「デジタル表示」というイメージが強いのは
そのせいだったのか... ちょっと納得
PRO TREK(プロトレック)とツールコンセプト
始まりは1994年
方位、温度、気圧・高度計測ができるという、トリプルセンサーを初搭載した腕時計「ATC-1100」が登山家に好評だったことをうけ、本格アウトドア向けのセンサーウオッチとして1995年「PRO TREK」ブランドが誕生したのであります
開発当初は、開発関係者に登山経験者がいなかったため、登山家の岩崎元朗氏にアドバイスを求めたところ、山道具として3つの要素を要求としてあげられました
1.簡単操作:1ボタンで計測できるダイレクト計測ボタン
もちろん、グローブでも操作可能でなくてはいけません
2.大きな文字:大画面
3.わかりやすい表示:ニ層液晶
この3要素が、のちにプロトレックの基本となる『ツールコンセプト』となるのです!
そうして誕生したのが初代プロトレック「PRG-40(2000年)」だったんす
更なる進化と落とし穴
PRO TREK(プロトレック)の第2の進化がソーラー化!
アウトドアで使うからこそ、電池の寿命という制約から解き放つことが必要であると、ソーラー化の開発をスタートしたのですが...
当初使用していた磁気センサーは、ソーラーシステムでは駆動することができませんでした
そこで開発したのが、低消費電力磁気センサー(従来比70%減)
そうして誕生したのが、電池不要のソーラー駆動のプロトレック「PRG-50(2002年)」っす
ソーラー駆動はクリアしたものの、カシオが発売する他の時計と異なり、プロトレックは<電波ソーラー化>の実現に苦労することになるんす
ネックとなったのは、強力な磁石となってしまう電波時計用のアンテナと磁気センサーの干渉問題
しかしこれも、磁気センサーの計測に悪影響を与えない、配置場所を見つけることで解決!
ついに、電波ソーラーを組み込み、二層液晶を搭載した「PRW-1000(2005年)」が生まれたのでありヤス
この「PRW-1000」の開発に成功したカシオは、プロトレックのブランドステータスを高めるため、登山家・竹内洋岳氏へ「PRW-1000」の提供を行います
そして、竹内洋岳氏のヒマラヤ登山の登頂成功に合わせて、プロトレックは「登山家のためのプロツール」という称号を手に入れるはずだったんす
しかし!!!!
開発陣は、「PRW-1000」が『腕時計』としては使って貰えなかった事実を知る
つまり、機能を満載したプロトレックは、登山で使うには『厚過ぎ』たんすな
腕にはめると、手首の動きが遮られるため、首から掛けて使用したとのこと
この事実を突き付けられたときの開発陣のショックはいかほどだったか...
そこで牛山氏が取った行動が凄い! 登山始めちゃったんすよ
実際に登山を始めて、改めてプロトレックの問題点(厚さ)を認識したカシオ開発陣は、悩んだ末に二層液晶を捨てることを決意
そうやって開発したのが、薄型モデル「PRW-1300(2007年)」なのであります
「PRW-1300」は、竹内氏の腕にはめられヒマラヤのマナスル登頂を果たす
まるでプロジェクトXっすよねぇ プロトレックのブランディングとしては大成功と思いきや...
物語はここで終わらなかったんすわ
カシオの意地、二層液晶搭載への再挑戦
二層液晶を削った「PRW-1300」は、プロトレックの基本となる『ツールコンセプト』を満たしていないことから、再び挑戦が始まるわけなんす
ソーラーセル、LCD、基板などを0.1mm単位で薄型化!
高強度のエンジニアリングプラスティックを採用し、機構部品を薄型化
サファイヤガラスを採用し、ベぜルの構造を薄型化
これにより、ニ層液晶を搭載していながら、大幅な薄型化を実現
2009年、ついにフルアウトドアスペックモデル「PRX-2000T (MANASLU) 」が誕生
したのであります!!
さらに、ヒマラヤのカトマンズ時差(KTM:UTC+5:45)にも対応し、ヒマラヤ登山を目指す登山家たちを強力にサポートするプロツールとして大きく成長したのであります
「PRW-1000」と「PRX-2000T (MANASLU) 」の仕様比較
PRO TREK | PRX-2000T | PRW-1000 |
---|---|---|
電波受信 | 日本/北米/ヨーロッパ/中国地域対応 | 日本対応 |
タフソーラー | ● | ● |
方位計測 | ●(磁気偏角補正) | ● |
ベアリングメモリー | ● | ― |
高度計測 | 10,000m | 10,000m |
高度計測間隔 | 5秒毎1時間/2分毎24時間切替 | 2分毎10時間 |
積算高度 | 上昇/下降 | 上昇/下降 |
高度差計測 | ●(数値表示) | ●(高度差グラフィック) |
高度メモリー | マニュアル25本 | オート40本(15分毎) |
気圧計測(気圧傾向グラフ) | 260~1,100hPa(有) | 260~1,100hPa(有) |
温度計測 | -10~60℃ | -10~60℃ |
日の出日の入 | ● | ― |
タイドグラフ | ― | ― |
ムーンデータ | ― | ― |
ヨットレース対応タイマー | ― | ― |
防水 | 10気圧 | 10気圧 |
耐低温 | -10℃ | -10℃ |
本体サイズ(mm)(縦×横×厚さ) | 57.0×47.7×11.3 | 62.3×52.2×16.8 |
実は現在、「PRX-2000T (MANASLU) 」は、竹内氏の腕にはめられ、ヒマラヤ・ローツェ登頂に挑戦中だそうな
プロトレック最高峰のMANASLUが、再び8000mを経験するわけっすな
詳細はぜひ、登山家・竹内洋岳の公式ブログをごらんください
登山家・竹内洋岳 公式ブログ
http://weblog.hochi.co.jp/takeuchi/
登山では一緒に登る人のことをパートナーとか サイズパートナーって言うけど、これはまた別な意味で影で支える相棒というか 心強いバディって感じっす
PRO TREK(プロトレック)を分解??
セミナーでは、禁断の... じゃなくて、プロトレックの構成パーツも見せていただくことができました
部品点数の多いこと! 普通は見れないだけに こういうのは嬉しい!
PRW-1000とPRX-2000T (MANASLU)のモジュールサイズの違いに注目っす
PRO TREK PRX-2000T (MANASLU) @Flickr
実は、これから2ヶ月もの間「MANASLU」がモニターできるんでやんス
時計大好き人間のタウンユース主体になるとは思うけど、いろいろ試してみたいと思っておりますので、ご興味のある方はお付き合いくださいな
セミナー後に場所を移したところで撮影した記念写真がコレ
参加者全員じゃないけど、こういうノリの良さが大好きだ!
この奇妙な写真を撮影してくれたのは HAMACHIさん あんがとねぇ
PRO TREK プロトレック - CASIO
http://protrek.jp/
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まわりぶろぐ 時計の会? HAMACHIさんのブログ
お疲れさまでしたー。
写真,使っていただき,ありがとうございます!
gomaさんのレポートで,
なんだか僕もセミナーに参加したような気になってきました。
あ,「マナスル」がないか…。
2ヶ月間,楽しんでくださいねー。
こちらこそ写真サンクスでした
CASIOの開発者って熱い人が多いっすねぇ プレゼンはまさにプロジェクトXって感じでした
ぜひブログ読む際には プロジェクトXの曲を流しながら読んで欲しい(笑)
2か月たっぷり楽しんでみたいと思っています